2008年10月3日金曜日

人魚姫

世の中に数多ある「お姫さま」の物語。
子どもの頃も今も、一番惹かれるのは「人魚姫」です。
私が知っている中では、王子さまと幸せな結末を迎えられなかった唯一のお姫さま。でも、一番王子さまを愛していたお姫さま。
王子さまに見初められて結婚!ではなくて、好きな人のために何もかもを捨てて努力する一途なお姫さま。

「人魚姫」は、アンデルセンの大失恋があって生まれた作品だとか。
切なく悲しい物語ですが、誰一人悪い人はいないんですよね。
王子さまが人魚姫を裏切ったわけではない。王子さまの婚約者が、人魚姫から横取りしたわけでもない。
人魚姫の想いが王子さまに届かなかっただけのこと。ただの片想い。

私は最近、自分の中にも人魚姫がいるような気がしています。
偶然出会った運命の人。それは、自分とは住む世界の違う王子さま。
自分は海の中にいて、浜辺を歩く王子さまを眺めていればよかったものを・・・。それだけでも幸せだったのに・・・。
分をわきまえず、私は陸に上がってしまいました。
頑張って、王子さまに少し近づけた気がしていましたが、王子さまには他に好きな人がいるようです。

私は今、ナイフを握り締めて考えています。
人魚姫がナイフで刺せなかったのは、王子さまの心臓ではなくて自分の心(未練)ではなかったかと思います。
今なら海の世界に戻れるかもしれない。
王子さまなんか、ナイフで刺して忘れてしまえ!
そうすれば、海の中で別の幸せを見つけることができるかもしれない。

でも……。でも、なんですよね。
人魚姫のように自分の気持ちを貫いて、水の泡になってしまいたい気持ちもあるのです。

もし物語に続きがあって、王子さまが人魚姫の気持ちを知ることがあったなら、涙を流してくれるでしょうか?
少しは愛しいと思ってくれるのでしょうか?

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